長い経験を生かしたサービスともてなしで、新潟のビジネスシーンをサポート。
新潟のビジネスパーソンを足元からピカピカにしたい。
鳥屋野潟のインテリアの専門店・S.H.Sの一角にある、落ち着いた雰囲気のカウンター。まさに「大人の隠れ家」という表現がピッタリなこの場所は、靴磨きの専門店だ。靴磨きサービスには当日仕上げと預かり仕上げがあるが、当日仕上げを依頼する人は、待っている間にカウンターで鮮やかな手さばきを眺めたり、美味しいコーヒーを飲みながらゆったりと過ごしたり…。靴を磨いてもらうだけでなく、この「待つ時間」がリラックスできると好評だ。
このお店をオープンした平原太門さんは、元百貨店バイヤー。長年、紳士服、鞄、靴など一流のメンズアイテムを扱い、新潟のビジネスマンをおしゃれの面で支えてきた。「ビジネスパーソンにとって、靴は大切なアイテムの一つ。自分の分身のようなもので、磨かれていると自信が湧いてくるものです」と話す。
自分の強みを活かしたいと起業を決意。そこからは早かった。
そんな平原さんが、長く勤めてきた百貨店を退職したのは、起業の約1年前。「組織の中で閉塞感も感じていたし、このままでは自分の成長が止まってしまうという危機感が強かったです。退職時は本当にノープランで、まず辞めてから自分が本当に何をしたいのかじっくりと考えました」と話す。エージェントに登録したり、ハローワークの講習会に参加したり…再就職に向けて様々な人と会ううちに、「世の中にはいろいろな人がいるが、自分の強みは男性をかっこよくすること」「再び、出来上がった組織の中に入るのではなく、自分で1からやってみたい」と、気持ちに変化が生まれていく。
そして平原さんがビジネスに選んだのは、紳士服の販売ではなく、「靴磨き」だった。「靴磨きは意外と奥が深いものなんですよ。世界大会もあるほどです」と話す。「バイヤー時代、興味があって靴磨きの世界チャンピオンのお店に行ってみたんです。1時間くらいかけて靴を磨いてもらい、コーヒーを飲みながら職人と会話して…これはすごいサービスだ!と感動したのを思い出して」と、自分でも展開してみようと決断する。
借り入れすることで得られた、ビジネスのノウハウ。
決断したあとの行動は早かった。起業を決意したのが2017年10月。11月には場所を決め、12月に什器や商材を揃え、翌1月にオープンした。「やるなら場所はS.H.Sだろうと、城丸社長(現・会長)にお願いしに行きました。S.H.Sは『いいものをお手入れしながら長く使う』をコンセプトとしているので、共感してくれて。とてもいい場所に入らせていただきました」。肝心の靴磨きの技術は、有名シューケアメーカー・スペシャリストの技術指導を受けた。「百貨店時代にある程度は身に着けていましたが…。これはもう必死になって練習しましたよ」と平原さんは笑う。
開業資金はすべて自己資金でまかなえる額だったが、「城丸社長をはじめ、いろんな人から『資金を借りて、返済しながらやったほうがいい』と言われました」と、一部を借り入れた。「結果的に、借り入れしてよかったですね。信用保証協会さんや金融機関とつながりができて、いろいろなアドバイスを受けることができました」と話す。
たくさんの人の協力を得ながら、少しずつ事業を拡大中。
アドバイスの中で最も役立ったこととして、平原さんは「プレスリリースを作ったこと」を挙げる。「プレスリリースを作ったことで、新聞や雑誌、いろんなメディアが取材に来てくれました。中でもテレビの反応は大きかったですね」。店舗やサービスの認知度が上がっただけでなく、平原さん自身にもスポットが当たり、身だしなみに関するイベントやセミナーの問い合わせも増えたという。
現在『BLOOM shoe lounge』は5年目を迎える。オーダーシューズ、オーダージャケットの取り扱いも始め、売上も少しずつ伸びているそう。また、昨年からは中央区万代の新潟日報メディアシップに靴磨きカウンターをオープン。「1,000円からの簡易サービスで、『BLOOM AIRLINES shoeshine service』と名付けました。ここは商談や営業にのぞむビジネスマンを応援する出発口。いずれこちらの『Lounge』にも来てもらいたいという意味も込めて」と話す平原さん。また、S.H.Sのカウンターでは、偶然に居合わせたお客様同士で意気投合したり、名刺を交換するなど、うれしいシーンも見られるようになったそう。これからもサービスの充実を図りながら、新潟のビジネスマンをさらに輝かせていく。
新潟県信用保証協会のサポート〈 BLOOM shoe loungeの場合 〉
新潟県信用保証協会のサポート
●創業後のフォローアップ
●プレスリリース作成、SNS発信など広報のアドバイス(外部専門家派遣)
●経理業務や確定申告のアドバイス(外部専門家派遣)
担当者からのコメント
平原さんは謙虚でとても聞き上手な方です。お客さまが心地よく感じるのはそんな雰囲気を感じているからだと思います。靴磨きだけでなく、会話も楽しめファッションについても相談できる。それがBLOOM shoe loungeの最大の魅力です。
創業を考えている人にアドバイス
何歳になっても、周囲に感謝して、助けてもらえる人に。
いくつになっても謙虚に、頭を下げてお願いできる人でありたいですね。私は48才で起業しましたが、いろんな人に助けてもらいました。特におじさんは、若い人の話をよく聞くこと。私はSNSの使い方は全く分からなかったのですが、若い人に教えてもらって、今ではInstagramもFacebookも更新しています。リールやストーリーズも使いこなせるようになりました。
BLOOM shoe lounge(ブルーム・シュー・ラウンジ)
設立:2018年1月
所在地:新潟市中央区女池南3-5-1 S.H.S鳥屋野店内
業務内容:サービス・服飾小売業
靴磨きと修理の専門店。お気に入りの靴、大切な靴をピカピカに磨き上げ、ベストなコンディションに保ってくれる。革靴だけでなく、スニーカーや鞄も受付。こだわりのシューケア用品や服飾・雑貨の販売のほか、オーダーシューズ・ジャケットの受付も行う。
店名・屋号の由来
私たちのサービスを通じて、お客さま自身や生活に、パッと花が咲くような輝きを提供したい。そんなことを願い店舗名としました。英語やイタリア語の凝ったものも考えましたが、覚えやすさとわかりやすさを優先しました。