新潟県信用保証協会

経営支援事例紹介

安心・安全なバス運行を地域からなくさないために。経費管理を徹底しながら、新しい旅行企画を提案。

蒲原鉄道株式会社/バス事業・旅行代理店業 代表取締役社長 茂野一弘氏

地域住民の生活の足として 「バスの運転手さん、おはよう」。乗り込む園児のかわいいあいさつに、ドライバーも思わず笑顔になる。創業90年を超える蒲原鉄道は、その名の通り鉄道業から始まった会社だ。現在は路線バスや貸切バスなどのバス事業と、旅行代理店業を展開する。自家用車の普及や人口減少が影響し、経営は決して楽ではない。しかし五泉・村松地域に暮らす人々の重要な生活の足として、70年近くバスの運行を続けている。

他者の意見に耳を傾ける

「会社の経営が厳しい時は、今後の借入や返済について新潟県信用保証協会さんにつど相談させてもらっています」と話すのは、2012年に8代目の社長に就任した茂野一弘さんだ。借入は銀行から行うが、会社の状況を協会に説明することで、銀行の協力を得やすくなったという。「事業内容に関しても具体的な助言をいただき、例えばバスツアーの企画で、今話題のスポットやターゲットになりそうな客層などのアドバイスをもらうこともあります」。 ところで、茂野社長は前職は技術者だったが、縁あって同社に入社した。「蒲原鉄道は歴史の長い会社。自分より年上のベテラン社員も多く、彼らは誇りと実績を持って仕事に取り組んでいます。私なりの考えはありますが、それを一方的に押し付けるのではなく、相手の意見を尊重しながら真摯に向き合っています」と話す。

安全性を最優先に

経営状態に関わらず、同社が決して手を抜かないのが、安全なバス運行への取り組みだ。日本バス協会は2011年、相次ぐ貸切バスの事故問題などを受け、「安全性評価認定制度」の運用を開始した。バスの安全に対する設備導入や人員管理、書類管理などが、日本バス協会が定める基準をクリアしているバス会社に「セーフティバス」の認定を与えるもので、同社は最高ランクの三つ星を獲得している。 経営状況は、資金繰り対策や経費の見直しなどにより徐々に改善している。目標数値を達成できることも増え、社員たちの「お客様に喜んでもらえました」「ツアーバスが満車になりました」などのうれしい声が、社長の背中を後押しする。今後さらに経営を安定させ、社員とともにもう一度会社を拡大路線に乗せていく。それが茂野社長の現在の夢だ。

新潟県信用保証協会のサポート〈 蒲原鉄道株式会社の場合 〉

長い目で見た経営支援を実施しています。

新潟県信用保証協会では、課題の整理と分析を以下のようにまとめました。

  • 観光バス事業が景気低迷やバス旅行のニーズの低下により、売上が伸び悩んでいた
  • 自家用車の普及、人口減少などにより、路線バスの利用者も減少傾向に

上記の問題点の解決策として、以下の提案をいたしました。

  • ターゲットの見直しからはじめ、ターゲットの消費行動に合わせて行き先やツアー内容を検討することをアドバイス。集客につながる魅力的なバスツアーづくりを目指した。
  • さまざまな経費や設備面のコストを細部に渡り見直し、ローコストでの運営を促した。

成果

茂野社長をはじめ、社員の方々の地道な努力により、目標数値を達成することが増えてきました。これからも面談やアドバイスを重ね、より安定的な経営に向けてサポートさせていただきます。

蒲原鉄道株式会社

創業1922年9月 五泉市村松甲1364 社名の通り、鉄道事業からスタートした会社。五泉―村松―加茂を結ぶ蒲原鉄道線は、77年に渡り活躍し、1999年に惜しまれながら廃線となった。バス事業は1951年からスタートし、現在は路線バス、貸切バス、スクールバスの運行、さらに旅行代理店事業を展開する。従業員数は39名(2018年4月現在)。

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