新潟県信用保証協会

経営支援事例紹介

おいしさそのまま デザイン刷新

合資会社澤田屋/菓子製造・販売 代表 澤田 芳夫さん

錦鯉発祥の地・新潟県小千谷市で、地元の人々にとって愛着あるロングセラー商品「錦鯉もなか」。
地元民には懐かしく、観光で訪れた人には新鮮な、錦鯉を模した和菓子が装い新たに歴史を紡ぐ。

老舗菓子店の新境地を開拓

ケーキにカステラ、小千谷市の特産品を使ったサブレなど、魅力あふれる菓子で笑顔を生み出してきた「澤田屋」。創業から147年。大きな変革の時代にありながらも変わらぬおいしさを届けるため、協会の経営サポートを受けた。課題は、売り上げ強化と販路の拡大。
食品の原材料高騰を受け、価格設定自体を見直す必要があったものの、まずは看板商品「錦鯉もなか」のパッケージリニューアルに着手した。協会担当者によるデザイン案を基に、より専門的な知識を求め、協会の外部専門家からフードコーディネーターを派遣。有名店の商品開発や店舗運営にも参加してきた有識者の意見を取り入れながら、協会担当者と二人三脚で取り組んできた。今や世界中で愛される錦鯉は新潟観光の目玉の一つ。インバウンド効果を意識しながら、世代や性別を問わずに好まれるデザインを考えた。

錦鯉を魅せるパッケージデザイン

錦鯉の形をした最中は、味わいによって色が違うのにも関わらず、旧来のパッケージでは開封するまで最中の色や形は見えない。透明フィルムに錦鯉の模様を描いたこれまでと真逆の発想を形にした新パッケージは、最中のかわいらしさを強調し、思わずSNSに投稿したくなる魅せるデザインに仕上がった。

販路拡大・補助金申請もサポート

「錦鯉もなか」の味わいは、茶色のつぶあん、薄ピンクの白あん、白生地のゆずあん、緑色の抹茶あんの4つが定番。そこに、外部専門家による助言を反映し、今後は桃や栗など、季節限定フレーバーを追加していくという。「夏は甘さ控えめにしてみるなど、パッケージだけでなく味わいにも変化をつけてみたい。洋菓子も得意な澤田屋らしさを生かし、これからも皆さんに愛される商品開発を続けていきたいです」と澤田さんは微笑んだ。
協会の経営サポートで生まれ変わった「錦鯉もなか」は、既に販売を開始しており好評を得ている。販売先は店頭の他、「小千谷市総合産業会館サンプラザ」「越後川口サービスエリア」など、外部店舗との連携によって少しずつ販売経路が広がっているため、意外な場所で見かける機会が増えそうだ。支援内容はパッケージデザインの考案に留まらず、補助金申請のサポートや収益力改善にも至る。より一層収益を上げられるように、協会による経営支援はこれからも続いていく。

新潟県信用保証協会のサポート〈合資会社澤田屋の場合〉

より良く見せる新パッケージを考案。
担当者の着眼点

売り上げを強化するために、まずは看板商品「錦鯉もなか」の販路拡大に取り組みました。そこで、せっかくの錦鯉の形を生かしたいという想いから着想を得て、パッケージデザインの変更を提案。看板商品をきっかけに、お店や商品全体の認知度向上を目指そうと考えました。

サポート内容

当協会の外部専門家であるフードコーディネーターを派遣し、「錦鯉もなか」の新パッケージデザインを考案。お菓子作りへのアドバイスも実施しました。パッケージリニューアルに伴う費用を工面するため、地元の商工会議所とも連携し補助金申請のサポートも行っています。

支援担当者の声

多くの支援から生まれた傑作。

思い付きから始まった提案が、周囲の方との協働によって形となり、消費者にも喜ばれるパッケージデザインにできて感無量です。原価や収益への意識付けができたことも大きい。たくさんの方に新パッケージを手に取ってもらえたらうれしいです。

合資会社澤田屋

1877(明治10)年創業。関越自動車道「小千谷IC」から車で約3分の老舗和洋菓子店。4代目の澤田芳夫さんが「はり糸(新潟市)」で修行していた経験から、カステラの製造技術に長け、和菓子に限らず洋菓子も製造。系列店として洋菓子店「スウィーツ&カフェ コラソン(小千谷市)」も営業している。

経営支援サービスforte.(フォルテ)
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