自分らしく働くために
20年間、地元の方々に愛されてきた「喫茶 スナック花音」。
新型コロナウイルスのパンデミック、度重なる自然災害にも負けずに営業を続けてきた同店の新たな挑戦を応援するため、協会の経営支援がスタートしました。
安心できる職場環境を維持するために
お客さまの幅広いニーズに応えながら佐渡島内で営業を続けてきた「喫茶 スナック花音」では、女性たちが毎日生き生きと働いている。「お客さまに喜ばれることはもちろん、スタッフが毎日安心して働けて、日頃の疲れを癒やせる自宅のようなお店を目指しています」と店主の鈴木希望さん。
スタッフの家族にも配慮しながら職場環境を整えてきたが、新型コロナウイルスの流行や能登半島地震の影響を受け、2024年1月に商工会の経営相談会に申し込み、協会を紹介された。コロナ禍などで自分のやりたい営業スタイルがかなわず、売り上げが思うように伸びない環境で、スタッフの生活をどうやって守るか、どうしたら店を維持・継続できるかを常に悩み続けてきた。「待っていてもダメだから自分からアクションを起こさないと」と一念発起した鈴木さんに、協会担当者は様々なサポートを行っている。

新規顧客の獲得を目指して
2024年から始まった経営支援では、まず、お店の現状を分析し、経営に関する情報を整理した。その後、金融機関や外部専門家も交えて経営課題の洗い出しを行い、SNSを活用した新しいPR方法や集客に向けたイベントなどを考え、取り組んだ。これに加え、同年12月には昼の喫茶店営業も開始したことで、少しずつ新規顧客の獲得につながっていった。

島内品を使用したメニュー開発にも注力
喫茶部門の看板メニューは、地元の老舗パン屋に特注したパンで作るイタリアのサンドイッチ・パニーニ。レギュラーメニュー6種類に加え、「今月のバニーニ」として月替わりのメニューを1種類販売する。喫茶店営業を機に地元乳業メーカーの濃厚なソフトクリームの提供も始め、今では店の人気商品となっている。
「経営支援では細かいことまで相談にのっていただき、何よりも寄り添ってもらえたことがうれしかったです。今では経営への考え方がガラリと変わりました」と鈴木さんは微笑む。鈴木さんの温厚な人柄があってか、パニーニは当初驚くほど安い価格設定で販売されていた。そこに着目した協会担当者と相談を重ね、価格やメニュー内容の見直しを行い、改善してきた。今後は、「喫茶店営業を土日にも拡大していきたい」と意気込む。夏場はキッチンカーでの移動販売も視野に入れている。人とのつながりを大切にする鈴木さんらしい働き方で、まだまだ新しいことに挑戦していく予定だ。

新潟県信用保証協会のサポート〈喫茶 スナック花音の場合〉
多様なサポートで、より地域に愛されるお店へ。
担当者の着眼点
協会のサポートだけでは足りないところは、商工会、金融機関、外部専門家とも連携し、その上で、お店の実情や鈴木さんのニーズに合わせながら取り組みを進めました。
サポート内容
発信力を高めるため、公式SNSアカウントの開設、デザインソフトを使ったチラシ作成を行いました。喫茶店の開業後は、収益性の向上に向けた費用分析の実施や、支店内での試食会を通じたメニュー開発の協力などを行いました。現在もサポートを継続中です。
支援担当者の声
お店ならではの魅力を引き出すために
花音さんは誰でも気軽に利用できる飲食店。喫茶店営業のターゲット層となる女性たちに向けたメニュー開発にも余念がありません。花音さんの変化が、佐渡を楽しむ一つの手段として定着することを願って支援を続けています。

喫茶 スナック花音
佐渡島内で2005年から営業する地域密着型スナック。地元イベントに積極的に参加することで世代や性別を問わず利用しやすい店作りを大事にしてきた。2024年12月からは喫茶店営業を始め、ランチタイムに喜ばれる軽食やカフェタイムにぴったりなデザートを販売。これまでお店に訪れる機会がなかった女性やファミリー層がさらに来店しやすくなった。
